アンデス音楽談義 & 懇親会2017年07月31日 15:00

  *** 熊本・菊陽町からのSusurro(ささやき) ***


 2017年7月30日(日) ここ熊本の地は連日の猛暑の中において、長年の悪友である対馬のN氏が来熊することになった。

 いい機会なので、CharangonetのN氏と4月に開催した「南米アンデス音楽のワークショップ」に参加いただいた、これまた青年N氏を紹介するために声をかけて南米音楽談義と懇親会をする運びとなった。

 あいにく、CharangonetのN氏は私用にて参加できなかったが、あとの二人のN氏たちと小生の3人で集まることに相成った。

 場所は滞在ホテルの関係上、熊本市 中心部の居酒屋にて行った。

 20代の青年N氏に対し、対馬のN氏と小生は50代後半の同年のオッサンで話が弾むかどうか心配したが、アルコールが入る前から色々と話題はつきなくとどんどんと情報交換ができたようだ。


 3人共、南米(ボリビア等)への渡航経験があったので現地での体験をお互いに紹介しあえて楽しい一時と過ごすことができた。

 青年N氏からは、若い世代はどんな曲を選んで演奏しているのかなどの話をもらい、われわれオッサンたちからは、10代~20代に経験した話題に花が咲いた。

 あっという間の2時間は過ぎてまたの再会の機会を楽しみにお開きと相成った。

アンデス楽器の基礎講座開設2017年06月12日 22:30


*** 熊本・菊陽町からのSusurro(ささやき) ***


 ほんの少しではあるが、ここ熊本の地にもマイナーなジャンルである「アンデス音楽」を好む人がいるのは確かだ。曲を聴くだけでは満足できなくて「自ら楽器を演奏したい」という気持ちを抑えられない方々の為に、タイトルのとおり「アンデス楽器の基礎講座」を開設したいと思う。
                                                        
 南米アンデス地方は、北はコロンビア南部から南はアルゼンチン・チリの中部までの広大な範囲を占めているので各地方独自の楽曲(リズム、楽器)があるのだが、この基礎講座では、エクアドル・ペルー・ボリビア・アルゼンチン北部などに拡がっている楽器から、ポピュラーな管楽器と弦楽器それに打楽器に限定する。名曲「コンドルは飛んで行く」の演奏で主に使われている楽器がそれに相当する。
                                      
 当基礎講座は、アンデスの楽器で「ポップス系」を演奏するための講座ではない。あくまでも「アンデス音楽」を演奏するための講座である。したがって、楽譜至上主義とは一線を画し、耳から音楽を覚えて身体(脳)に記憶させることで微妙な雰囲気を出せるようになって頂きたい。(楽譜どうりの演奏の「つまらなさ」を体感してもらいたい)
                                          
 合わせて、アンデス音楽には、楽器による演奏と同時に歌入りの曲が多数あり、多くは「スペイン語」の歌詞なのだがそれ以外にも先住民の言語(ケチュア語・アイマラ語・グァラニー語など)で歌われているものもある。楽曲を習得する場合、自ずと歌詞入りの曲ではスペイン語で歌う必要性がある。この基礎講座では、キチンとしたスペイン語の発音で歌えるように指導する。言い換えれば、「初歩のスペイン語講座」に相当する。
                                 
 管楽器初心者(長年ブランクのある人も同じ)は、最初は酸欠状態になって頭がボーっとなったりする。これは心肺機能が向上していけば自ずとなくなる。
 弦楽器に挑戦する方は、右指の爪を若干伸ばさなければならないことを認識して頂きたい。
                                                 
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*** ケーナ(縦笛) ***
                                                

 アンデス音楽で主旋律を担当する場面が最も多い楽器だろう。この笛の音色に魅せられた人も多い。
                                      
 日本の尺八と同じ原理で音を出す。材料は竹や木でつくられる。竹の方がより素朴な音色が特徴だ。
                                                      
 標準(G調調律)で40cm弱の長さ、3オクターブまで出せるが高音になるにつれて細心の息使いが必要となる。
                                            
 基礎をしっかりと身に着けないと 薄ぺらな音しか出せなくなる。

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*** シーク(パンパイプ) ***




 「サンポーニャ(Zampoña)」と呼ばれるのが多数を占めるのだが、この名称は、南イタリアのバグパイプ「ザンポーニャ (Zampogna」由来である。おそらく南イタリアからの移民がこれを見て祖国の楽器に似た形だったのでこのように呼んだものが浸透して現在の名称になったと考える。先住民アイマラ族の言葉で「シーク」と呼ばれる。


 長さの違いで音階をつくる。ペットボトルに息を吹き込んで音を出す原理。この種の楽器は世界中に点在する。より原始的な楽器だからである。


 カスレ音が特徴だが、十分な息(空気)を吹き込むことで迫力のある音を作り出すことができる。そのためには、ケーナ以上に心肺機能の向上が必要不可欠になる。当講座でも、それを達成すべく基礎体力増進を図りたい。

  参考) 南イタリアのバグパイプ <ザンポーニャ(Zampogna)>



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*** チャランゴ(南米ウクレレ) ***




 ハワイ生まれのウクレレと調弦がほぼ同じ(ただし弦はチャランゴの方が多い)なのでチャランゴのコード進行ができたら ウクレレを初めて手にしてもコード弾きができる。どちらも、スペイン、ポルトガルの中世の弦楽器(ビウエラ デ マノ)と呼ばれれる小ギターが基になって進化してきた楽器。


 小さいが、リズムを刻んだり、つま弾いてメロディーを奏でたりと大いに活躍する弦楽器。この音色に取り付かれるともう抜けられない状態になるはず。現在は改良が重ねられ、音量と音色が飛躍的に向上している。


 基本は、リズムを刻む感覚を身に着けることと、「かき鳴らし」奏法を習得することが基本中の基本。



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*** ボンボ(太鼓) ***



 素朴な太鼓である。バチで叩けば音は出るが、叩き方次第で音の立ち上がりが変わり音色に影響する。

低音域をカバーすると同時に、リズムを刻んで楽曲の土台となる。叩き方によって曲の厚みが大きく左右される。

 上記、管楽器(ケーナ・シーク)や弦楽器(チャランゴ)を学ぶ方は是非ともこの打楽器を体験してリズムを習得してもらいたい。演奏に大いに役立つこと間違いなし。


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 「初めての方」はもちろん「既にアンデス楽器を持っているけれど一度挫折したという方」、さらには「基礎を再度やり直したい現役の方」も挑戦してみてはいかがですか???

 もし、詳しい話を聞きたいかたは下記のメールへご一報くださいませ。

 Mail:  zanahorias777@gmail.com  (かわの)



南米アンデス音楽の誘惑(2)2017年04月29日 15:03

 *** 熊本・菊陽町からのSusurro(ささやき) ***

 1974(S49)年にサイモン&ガーファンクルの歌入り「コンドルは飛んで行く」をラジオの放送で初めて聴いて、彼らの歌よりも伴奏の「笛の音色」と「メロディーライン」の虜になった。「いったい、どんな楽器なんだろう?」という思いは常に頭の片隅にあった。

 そんなとき、1975(S50)年10月から半年間放送されたTVアニメ「アンデス少年ペペロの冒険」が一層アンデス音楽に夢中になる出来事だった。主人公「ペペロ」と一緒に旅する謎の少女の名は「ケーナ」、彼女がパンパイプを奏するシーンが幾度かあった。その時はこのパンパイプが「ケーナ」だと勝手に信じていたがそれば間違いで、あとで縦笛の方だとわかった。
 テーマ曲は何故か「コンドルは飛んで行く」の出だしに似ており、作詞は製作スタッフの兄弟であった漫画家の「楳図かずお」だった。「黄金のコンドルよ~ 大きな羽を拡げて・・・」と始まる唄は、動画サイトでも聴ける。

 サイモン&ガーファンクル解散後、ポール・サイモンが1973年~74年にかけてソロ・コンサートを行った。73年には全米やヨーロッパ、そして74年春に日本(大阪、名古屋、東京)3か所でも行われた。ど田舎の中学生には、何にも情報がなかった。

 コンサートのステージでは、第1部に、S&Gのアルバム内の「コンドルは飛んで行く」の伴奏(実際はインカスのアルバム内の曲に歌詞を被せて1曲とした)を務めた「ロス・インカス」と共演し、「コンドルは・・」「ダンカンの歌」「ボクサー」などを演奏した。現在でも「LIVE RHYMIN」と言うタイトルのCDで聴くことができる。また、動画サイトにもあるようだ。

 ただし、当時のロス・インカスの所属レーベルとポール・サイモンのそれとが異なるために、このステージやアルバムでは、「ウルバンバ」と名乗って共演している。

 「ウルバンバ」とはインカ帝国の首都だった「クスコ」から世界遺産である遺跡「マチュ・ピチュ」へ至る途中の渓谷や流れる川の名称で下流ではアマゾン河へと合流する。

 ちなみに、当ブログは、「ロス・インカス(ウルバンバ)」からヒントを得て、「もっこす・インカス(ウルルンバンバ)」とした。「もっこす」とは、熊本の方言で「頑固者(堅物)」という意味で、「インカの賢者」ならぬ「インカの堅者」といったところだ。

 私がこのライブ音源を聴いたのは、1976年たまたま学生寮にあったLPレコードでその生々しさにいたく感動したのを覚えている。特に、笛類よりも「チャランゴ」と呼ばれる南米ウクレレの効果音がとても気になり始めた頃であった。

 この続きは、次のブログにて 2017.4.29

ワークショップ無事終了2017年04月24日 09:41

 *** 熊本・菊陽町からのSusurro(ささやき) ***

 さわやかな春の晴天に恵まれ、4月22日(土)午後、「南米アンデス音楽のワークショップ」を開催できた。一か月ほど前から、各町民センターにて参加募集の掲示をしていたのだが、開催2週間ぐらいまでは参加希望者がゼロ。「中止」の二文字が頭をよぎったが、その後 アンデス音楽経験者やまったくの初心者の方々からも連絡をいただき、最終的には13名(内お子さん2名)の参加とあいなった。

 「未経験の人へもっとこの音楽の魅力を伝えたい」との趣旨で企画したのだが、同じ町内で活躍されるグループ「ケナクンパ」さんから5名参加や大学でアンデス音楽をやっていた青年も駆けつけていただきこのイベントは賑やかな会合となった。

 第1部は、名曲「コンドルは飛んで行く」の聴き比べを行い、それぞれの特徴を各人が感じていただけたと思う。また、オリジナルの「コンドル・・」が大衆オペラであることなどのエピソードを織り交ぜながら解説していった。

 休憩時間に、自己紹介や「ポンチョ」を着用しての記念撮影等で話に花が咲いた。

 第2部では、未経験者の楽器体験の場として、自由に触れたり、音出しに挑戦してもらった。

 「ケーナ(縦笛)」を手にしてしばらくすると音がだんだんと鳴り出した。「すごい、すごい!」

 「チャランゴ」は同じく持参した「ウクレレ」と比べていただいてその共通性や違いを感じてもらえたらこのイベントの一つの成果である。

 お子さん達は、「ボンボ(太鼓)」を思いっきり叩いたり「マトラカ(ガラガラ)」を廻して楽しんでもらえたようだ。

 しばらくすると、「ケナクンパ」さんの精鋭5名による「花祭り」の演奏が始まりその場は最高潮に達した。全員一緒に体を動かして踊ったり、手拍子などて参加した。楽しい空気ができあがる。これが、「アンデス音楽の魅力」だと改めて実感した。

 参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。

南米アンデス音楽のワークショップ開催2017年03月13日 15:28

 *** 熊本・菊陽町からのSusurro(ささやき) ***

 日本でアンデス音楽がブームになって早や40数年が経過した。これまで熱心なファンの支えで地味ながら少しずつ浸透してきたが、ここ熊本ではまだまだ知られていないのが現状である。この要因としては「コンドルは飛んで行く」が有名なるが故にり、この曲のみが広く親しまれているからだと思う。実はこの曲以上に魅力ある多彩なリズムがたくさんあるのだからそれを紹介すべく、ワークショップの開催を決意した次第である。

 第1回目としては、まず「コンドルは・・・」をテーマに取り上げ、世界的ヒットの要因を解明しながらトークと鑑賞をしたい。また、実際の楽器に親しんでもらうことも大切である。

詳細と参加方法は添付ファイルを参照されたし。
 
◆◆ 南米アンデス音楽のワークショップ開催 ◆◆

  4月22日(土) 13:00~16:00

場所 菊陽町 三里木町民センター
       (JR三里木駅北 徒歩3分)
    〒869-1101 菊陽町大字津久礼2962番地2

南米アンデス音楽の誘惑(1)2017年03月03日 17:25

 *** 熊本・菊陽町からのSusurro(ささやき) ***

 2017年3月時点でリペアを終えた楽器の画像を添付した。

 ボンボ(太鼓)は36年前に購入したもので、両面の皮を新規に張り替え胴体の長さ(高さ)を10cm短縮した。音量と響きの低下が懸念されるが、担ぎ易さと動き易さを優先した決断である。

 左右のチャランゴは2000年 ラ・パス(ボリビア)での購入品で、ギアペグを交換し再塗装を施した胴体には「くまモン」と地元特産野菜である「ニンジン」を手描きした。

 ケーナ(縦笛)、シーク(パンパイプ)はどちらも自作し、材料はホームセンターと100円ショップから調達したものだ。

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 思えば46年程前に遡るが、熊本には民放が2局しかない時代、小学5年生(1971)のある夕時ふとテレビからこれまで聴いたこのないメロディーが耳に飛び込んできた。ブラウン管に目をやると、地元百貨店にて「インカ帝国展」なる展示イベントCMの最中であった。わずか30秒間BGMとして流れていたメロディーが妙に気になった。

 この曲のタイトルと演奏者を知るのはそれから7年後(高校時代)になるのだが、強烈な印象のメロディーと素朴な笛の音が耳から離れなかった。

 中学(1973-1975)に入りラジカセを買ってもらうと外国の曲に接する機会が増えた。そうした状況下で、アメリカのアーティスト「サイモン&ガーファンクル」の1970年のアルバム「明日に架ける橋」に収録された1曲と出会うことになる。これが「コンドルは飛んで行く(El Condor Pasa)」である。当然LPレコードを聴ける環境ではなくラジオ放送の音源である。この時代楽器の姿、形はおろか名前を知る情報がなかったのである。

 この続きは、次のブログにて 2017.3.3